A search ⑧
8,罰則
朝からどしゃ降りの雨が降っている。外の風景は全く見えないが雨が地を打ち付ける音が聞こえる。
どうせなら外が見える牢獄にしてくれりゃよかったのに・・・・・。
一週間前から牢獄に入れられて、毎日起きた時と夜に俺はそう思う。
今日、俺の刑が決まる。この一週間の間に裁判が在ったわけじゃない。この町の法律のえらいさんが俺の犯した罪を調べて俺に刑を告げるのだ。
俺の弁解は一切なしで。
俺の犯した罪は普通じゃない。普通の、そう、強盗とか殺人とかならちゃんと裁判を開いて俺の話も聞く。
「ローム、刑が決定した。総裁判官様が慈悲の間でお待ちだ、出ろ。」
警備の者が南京錠を開けて俺を牢獄の中から出した。
警備の奴は俺の両腕を俺の後ろにまわし、そのまま両手首に手錠をかけた。
俺の前に一人、それと後ろにもう一人付いて慈悲のままで歩いた。途中には警告の階段という物がある。そこは、「これからお前は刑を述べられる。それがどんな刑であれ、それを素直に受け入れよ」と言い聞かせる階段だ。
階段を上りきったら慈悲の間は目と鼻の先にある。
右に回って正面を向いたらそこはもう慈悲の間の扉。
警備の人に連れられて中に入ると、そこは馬鹿でかい裁判室。傍聴人に誰一人いない。いるのは俺と2人の警備と、俺の前に佇む白ひげをいっぱい蓄えた総裁判官だけ。
「汝に刑を告げる前に聞いておきたいことがある」
「何なりとご質問ください。私は嘘偽り無くお答えいたします。私がどんなことを言うおうと刑はかわらないのですから。」
「汝、なぜ禁術を使った。」
「・・・・・・それは、答えられません。」
俺はずっと下を向いたまま答えた。
「ならば、汝が施した禁術を三日以内に解け。さすれば汝への刑は少なからず軽くすることをわが名において誓おう。」
「それだけはできません。お許しください。」
「・・・・頑固者め・・・・・」
「私の保護者がそうでございますから」
「質問はこれで終わりじゃ。汝に刑を言い渡す。」
一瞬の沈黙が流れた。
俺にとっては永遠とも思えるほどに無駄に長い沈黙に感じた。
「汝の犯した罪はこの町全体の平穏に大きく揺さぶりをかけるものであり、民の心を不安にさせただけでなく、政治にも多大なる影響を与えるものであった。我はここに法第157条に則り、汝にこの街からの永久追放ならびに魔力の極限までの封印を言い渡す。ローム・アシュセス。異論は無いな。」
「もちろんでございます。」
俺は警備につれられて慈悲の間を出ようとした矢先、総裁判官が口を開いた。
「ローム、私はあいつとの約束を守れなんだ。私は方によって裁かれなければならぬ。」
俺は前をむいたまま答えた。
「ばか言うわないでくださいよ」
From ユラ★
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